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CindⅢ site

うつ病ADHDフリーライターのクズがクズに寄り添い生きづらい世の中をなんとか生き抜いていくためのブログ

高野りょーすけ『現役東大生が1日を50円で売ってみたら』を読んで

書評なのかなんなのか

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f:id:cindIII:20170203095011j:image

『現役東大生が1日を50円で売ってみたら』という本を読みました。

はてなブロガー、高野りょーすけ君(id:tonbonline)という東大生がいます。紛いもない東京大学の学生です。

彼は「50円で東大生の1日を買いませんか?」という企画をやっているのですが、それの記録をはてな×KADOKAWAの企画「カクヨム」に連載していたんですね。

そしたら、まさかの書籍化。

りょーすけ君すげー!!

ちなみに彼は体当たり系ライターとしても大活躍中。

travel.spot-app.jp

この死んだ目がたまらなく、好きだ。

(※彼には一度直接お会いしたことがあるのですが、実際には笑った顔の可愛い好青年でした) 

そんな訳で、彼の本を手にとってみました。

東大を留年した彼が見たものは、一体。

  

りょーすけ君は、打ちのめされていた

取り柄がなくなった。

たった1つの特徴がなくなった。

(まえがきより)

大学受験を終え、「勉強ができる」ことを自身の取り柄としてきたりょーすけ君は、東大生になったことで逆にアイデンティティ・クライシスを起こしてしまいました。

大学に行かず、留年。昼過ぎに起きてインターネットを見ていた時、りょーすけ君は自分の時間をお金で売る人たちの存在を知ります。

そして「自分も」と始めた50円東大生レンタル。

色んなところに飛ばされて、色んな人と出逢って、彼は打ちのめされます。打ちのめされ続けます。今まで持っていた価値観にボディブローを食い続けます。

そんな数々のご依頼の中でも秀逸なエピソードが、この1冊にぎゅっと詰まっています。

全部の章に言及していたらキリがないので、いくつかピックアップして紹介します。

発達障害の子と、数学

この章は依頼者様側のレポート記事もバズっていたので、「あ、読んだことある!」となった方もいるのではないのでしょうか。

nanaio.hatenablog.com

発達障害(自閉症スペクトラム)を持つT君は、数学に強い興味を持ち、年齢からすると卓越した数学の知識を持っています。

そんなT君と、東大生りょーすけ君が話をする、という話。

りょーすけ君はT君の発する言葉に打ちのめされながらも、お話を進めていきます。

わたしの従妹もT君と同じ発達障害(自閉症スペクトラム)を持っていて、洋裁の才能があります。彼らは興味を持ったことについて、とことん知識を追求します。知りたがり、やりたがります。それは彼らの生きる術になり得ます。

現代社会では困難の多い自閉症スペクトラムの子供たちの才能の芽を潰さず活かし、伸ばすことに貢献してくれたりょーすけ君に、わたしからもありがとう。

夜の社会、キャバクラ

りょーすけ君(童貞)が、池袋で一番高いキャバクラに連れて行かれるお話です。

ぶっちゃけわたしも池袋の場末のガールズバーでバイトをしています。生活費を稼ぐためだけど、人としゃべるのが好きだからでもある。

お金をもらって人としゃべる。りょーすけ君のやっていることは、ある意味キャバ嬢に似てるんですよね。夜の仕事への偏見が、だんだん解かれていく様が見られます。

でも。

りょーすけ君は最終的にもやもやした感情を捨てきれないままなのです。そこを隠さないで、ありのまま書くのがとてもいいな……と思いました。

りょーすけ君がもう少し大人になった時に、この時のことをふっと思い出してみてほしいです。

密着、地方議員

和歌山県の某市議に買われ、和歌山へ飛んだりょーすけ君。

地方議員の仕事って考えたことありますか?何をしているかよくわからないですよね。この章では、地方の課題と地議の活動を垣間見ることができます。厳しい条件の中、地道に真面目にやっている人がちゃんといます。

都市と地方、都会と田舎。若者がいるっちゃいる街と本当にいない街。

りょーすけ君を通して、ひとつの社会問題が浮き彫りになります。

地議でも国議でも、こういう若者を通して活動を知ってもらうのって超アリだと思うんですよね。50円レンタルを通して、新たな可能性をどんどん切り開くりょーすけ君。すごい。

 

りょーすけ君のもやもやした不安に、血の通った「生」を感じる

ご依頼に答え続けたりょーすけ君は、自分に新たなアイデンティティを作ることはできていません。彼は不安の中にいて、不確かな未来に向かって、ゆっくり歩き続けているだけです。頼まれた依頼をこなしながら。

この本に出てくる人たちが、「生きてる」んだとりょーすけ君は言います。けど、わたしは、一番生きてるのはりょーすけ君だと思うんです。飄々と日々を過ごす様に、すごく血の通った「生」を感じます。

話を冒頭に戻すと、りょーすけ君は写真に写る時、基本的に笑わないんです。すげー死んだ目してる。

でも喋ると目が三日月になって、八重歯が覗いて、すごく可愛い。これは生きてるりょーすけ君に会った人じゃないと分かんない彼の姿。

りょーすけ君はこれからも生きていくらしいから、興味を持った人はこの本を読んだり、りょーすけ君をレンタルしてみたりしたらいいんじゃないかな、と思いました。

わたしもレンタルしたくなったぞ!!

 

本の紹介

横書きで、ブログ記事を読むようにすっと読めます。後日談が各章ごとに載っていたりもします。

ぜひぜひどうぞ。Kindle版もあります。

 

Cyndi.